【イントロダクション】 

 

本稿は筆者(yoshikaz)がYahoo知恵袋に登校投稿した質問「間違い探しの答え合わせ(その1)」を改稿補足したものである。 

本稿は生物学及び遺伝学の基本的な知識から、galgalwishが展開する論説における基本的な間違いについて、どの部分で間違えたのかを考察するものである。 

特に、「サルでもわかる進化論のウソ」と題して展開された言説の、その根拠とされる部分については現行の生物学、遺伝学に照らし看過し難い誤解や齟齬が多く含まれている。 

本稿においては、そのような誤解のなかにあってひときわ特徴的なものである、劣性形質の再現と突然変異に関する錯誤について考察する。 

 

【プレサポジション】 

考察にあたっての前提として以下の3点を次のように定義する。 

 

1.突然変異 

生物のもつ遺伝子(遺伝物質)に生じる構造的(量的・質的)な変化、およびそれによって生じる表現型の変化のこと。突然変異によって対立遺伝子の生殖細胞に生じた突然変異は世代を超えて伝達され得る。突然変異によって生じた遺伝子の世代間における挙動はメンデルの法則に支配される。 

 

2.突然変異の発生頻度 

自然状態における1世代・1つの遺伝子座あたりの突然変異の発生の頻度は、10万分の1~100万分の1程度であるとされる。 

 

3.ハーディー・ワインベルク平衡 

集団遺伝学の考え方で、集団中に突然変異、淘汰、流出等の遺伝的浮動がなければ集団中の対立遺伝子の相対頻度は変化しないとした考え。接合体の頻度は、配偶子頻度の2乗の展開で得られる。 

 

【ディスコース】 


d-1

「サルでもわかる進化論のウソ」いおけるgalgalwishの主張の要点の一端は以下のとおりである。 

 

1 突然変異によって生じる遺伝子は原則劣性である 

2 突然変異によって何らかの変異が現れても、劣性遺伝子は劣性形質の表現型はホモ接合でなければ出現しないので、継承されない(突然変異した遺伝子は消滅する?)。 

3 従って突然変異で生じた遺伝子型が集団内で増えることはなく、劣性形質の表現型は増えられないので突然変異によって進化が起るというのは誤りである。 

  (要約文及び番号の付与は筆者による) 


d-2

このような論理展開のもと、劣性遺伝子のホモ接合による変異の例としてアルビノの例を示し、アルビノが出現してもその子供はアルビノにならない(アルビノはアルビノ同士で交配しない限り増えない)ことをもって突然変異によって生じた形質が集団内に拡がらないことの実証としている。 


d-3

しかし、遺伝学を正しく学んだ者であれば、2の段階で、galgalwishが遺伝子と遺伝子型、及び形質(表現型)に混乱を起こしていることが明らかであろう。 


d-4

ある遺伝子Aが突然変異して生じた遺伝子をaと表記するものとして、Aがaに対し完全優性であるならば、劣性遺伝子aがホモ接合によって遺伝子型aaとなった場合に限り、劣性形質の表現型を示す。 


 d-5

仮に集団内にaaの遺伝子型を持つ接合体が1匹しか存在せず、他の接合体がすべて遺伝子型AAだったとしても(注;後述するがそのような想定はあり得ない)、遺伝子型aaの接合体が子孫を残せたなら遺伝子aは継承される。 


d-6

つまり、2の段階で消滅するのは「遺伝子型」aaであって、「遺伝子」aはメンデルの法則により遺伝子型Aaのかたちで次の世代に継承される(突然変異によって生じた遺伝子aは消滅しない)。 


d-7 

さらにメンデルの法則により、片親が遺伝子型Aaの接合体であった場合、配偶子が遺伝子aをもつ確率は50%であるので、3世代目は必然的に50%の確率で劣性遺伝子aを継承する(Aはaに対し完全優勢であるので、劣性の形質は2世代目にも3世代目にも現れないが、遺伝子は持っている)。 


d-8

以上のように、メンデルの法則上、劣性遺伝子であることを根拠として、突然変異によって生じた遺伝子が集団内で「必然的に消滅する」ということは言えない(遺伝子型、あるいは表現型は一時的に消滅するが、遺伝子型が消滅することと遺伝子が消滅することは同義ではない)。 


d-9 

さて、ここでさらにgalgalwishuの発言から引用する 

 

引用1 

>突然変異には再現性がある。  

>アルビノ猿ならば、 1万匹に1匹必ず現れる  

 

引用2 

>突然変異は アルビノでわかりますが、1万匹に1匹なので 「突然変異の再現」はあります 

 

引用3

>突然変異はランダムなので、確率は低くても 

>ノーマル同士からでも起きます


d-10

上の文章をそのまま素直に読むならば、アルビノ猿が常に1万匹に1匹の頻度で現れるという現象は突然変異に再現性があることによるものである、ということになる。 

これは 

(A;突然変異に再現性がある)ならば(B;アルビノ猿が1万匹に1匹の頻度で出現する) 

と書き換えることが出来る。 


d-11

ここで、常に「アルビノ猿が1万匹に1匹の頻度で出現する」という現象がハーディー・ワインベルクの法則下において遺伝子の頻度が平衡状態にあることを意味する(ハーディー・ワインベルク平衡;以下HW平衡と略す)。従って、以下のように書き表す。 

 

(A;突然変異に再現性がある)ならば(B;HW平衡は成立する) 


d-12

一見するとAもBも正しいので、構造だけみれば全体として間違っていないように見えなくもないが、勿論この命題には錯誤がある。AとBに直接に関係がないからである。 

 

HW平衡が成立するためには以下の条件が成立していることが前提条件となる。 

即ち、 

1:集団のサイズが充分大きい  
2:対象となる遺伝座に関して、雌雄間の交配がランダム(任意交配)である  
3:対象となる遺伝子座に新たな突然変異が生じない  
4:他集団から、あるいは、他集団への移住がない  
5:この遺伝子座に関して自然選択がない、つまり、遺伝子型間で適応度に差がない  

 

d-13

上に示した条件が成立していると考えれば、遺伝子型アルビノ(仮にaaとする)の頻度は0.0001である。 

HW平衡が成立している集団における遺伝子型aaの頻度は遺伝子aの頻度の2乗であるので、aaの頻度が1万分の1(0.0001)であるならば、この集団における遺伝子aの頻度は 

 √0.0001=0.01 

となり、集団内には100分の1の頻度で遺伝子aが存在していることになる。 


d-14

集団内における各対立遺伝子の頻度の合計は常に1であるので、遺伝子Aの頻度は 

 1-0.01=0.99 

となり、集団内の遺伝子Aとaの関係は 99:1 となる。 


d-15 

集団内の接合体はすべて1対の対立遺伝子を保有するので、99:1の比率で存在する遺伝子は、49:1の比率でAAとAaという遺伝子型として存在していることになる(この比率がなければ1万匹に1匹の割合で安定的にアルビノが出現することはない)。 


従ってgalgalwishが例示する「1万匹に1匹の割合でアルビノが安定的に出現するチンプの集団」には50匹に1匹の割合でアルビノの遺伝子aを持った接合体が存在していると考えるのが妥当である。 


d-16 

ここで注意しなければいけないのは、遺伝子型Aaが1匹と49匹の遺伝子型AAから成る50匹のチンパンジーの集団でアルビノが生まれるかというとそうではないという事である。 

HW平衡が成立するためには50匹では集団のサイズが小さすぎるし、何よりも遺伝子型aaが成立するためには両親がともにaの遺伝子を持っていなければならない。つまり遺伝子型Aaの♂と♀が同時に存在する集団からしか遺伝子型aaは生じない。これはメンデルの法則から明らかである。 

 

d-17 

しかし、galgalwishは、(上で述べたように)突然変異の再現性とHW平衡に因果関係があると考えているということが推察される。 

アルビノが遺伝子の突然変異によって現れるものである以上、それが常に1万匹に1匹の割合で現れるのは突然変異が繰り返し再現されているからだ、という思考である。 

 

d-18

ここで1万匹に1匹の突然変異の内容が問題になる。 

galgalwishが明確に述べていないので、これまでの発言からgalgalwishがこの場合の突然変異についてどのように考えているのかを推察し、次のような仮定をしてみた。(これは筆者の行った想定であり、galgaiwishがそのように述べているというものではない。完全なる筆者の誤読である可能性もあることをここに明らかにしておく) 

 

ケース① 

両方の親の遺伝子型がともにAAであり、配偶子にもAの遺伝子しかないのに、受精卵に突然変異が起きてaaの子が生まれた 

ケース② 

両方の親の遺伝子型はともにAAだったが、両方に突然変異が起きてaの遺伝子を持った配偶子が生じ、aaの子が生まれた 

ケース③ 

片方の親はAaの遺伝子型を持っており、もう一方の親はAAの遺伝子型だったが、突然変異でaの遺伝子を持った配偶子が生じ、aaの子が生まれた 


d-19 

遺伝学において注目される突然変異は、配偶子の遺伝子に生じる突然変異である。親の配偶子に生じた突然変異が子に遺伝することで、場合によってその変異した形質が現れる。 

アルビノが生まれたということは、その親の配偶子(この場合、アルビノは劣性ホモ接合であるので両方の親)に、突然変異した遺伝子aが存在したことになる。親の世代にアルビノが存在していなかったとするならば、アルビノの親の遺伝子型は必然的に両親ともAaであったことになる。これは前段d-16の記述とも整合する。 

 

d-20

従ってケース①については論外であろう。 

まずそんなことはないとは信じるが、galgalwishがそのような想定の元に突然変異の再現性を云々しているのであれば、全く話にならない。筆者もさすがにこれはないものと考える。 

 

d-21

ケース②がgalgalwishの考えとして一番ありそうな想定だと思うが、これも大きな矛盾をはらんでいる。 

前提2の存在である。 

本稿の発端ともなった筆者の質問に対する回答(末尾に全文掲載)においてgalgalwishは 

 

>突然変異の発生頻度は遺伝子型(筆者注;原文ママ)では環境要因に左右されず、 10万分の1~20万分の1です 

 

と述べているが、これは本稿の前提2とも一致している。 

 

「自然状態における1世代・1つの遺伝子座あたりの突然変異の発生の頻度は、一般に10万分の1程度である」とは、遺伝子型AA接合体の二つあるAの遺伝子のどちらか一方が突然変異によってaという遺伝子に変化する確率が1世代で10万分の1程度という意味である。このとき突然変異の結果として生じる遺伝子型はAaである。 


d-22

従って、仮に1世代中に突然変異によって遺伝子型AAからaaが生じる(上述のケース①に相当する)ためには、特定の遺伝子座の特定の対立遺伝子に、同時に突然変異がおきる必要があるわけで、これは現実にはあり得ないと考えてよいだろう。 

10万分の1の確率でAA→Aaの突然変異が生じたとして、それは両方の親で起らなければならない。 

そのような組み合わせは理論上100億分の1でしか起こらず、1万匹に1匹とは整合しない。 

 

d-23

d-9の引用から、ケース③であってもgalgalwishの想定に近いものかと思われるが、遺伝子型Aaの1匹(1/50)と突然変異した1匹(1/100,000)の交配となる確率は結局500万分の1であり、1万匹に1匹とは整合しない。実際にはメンデルの分離の法則が発動するので、突然変異が発生する都度の交配では2千万分の1の確率でしか遺伝子型aa(アルビノ)は成立しない。 

 

d-24

以上のようにgalgalwishが想定したであろうケースの何れをとっても「1万匹に1匹のアルビノの出現」は成立しない。 

 

d-25

無論、これは突然変異の再現性を否定するものではない。1遺伝子あたり10万分の1(あるいは20万分の1)の頻度で突然変異は発生するという前提に則った結論である。この問題において肝要なのは、突然変異の「発生」ではなく、「存在(あるいは存続)」だということである。 

 

d-26

劣性遺伝子が必ずしも消滅しないことは前段d-6~9で述べたとおりである。消滅せずに残った突然変異遺伝子aが、突然変異が起こってから何世代もかけて集団内で増殖し、その結果として遺伝子型aaが突然変異が起ってから何世代も後に成立したというのがアルビノの出現であると考えれば、1万匹に1匹というHW平衡状態と、10万分の1という1遺伝子座あたりの突然変異の発生の頻度は同時に成立する。 

 

 

【コンクルージョン】 


以上から、ハーディー・ワインベルクの法則(あるいjはハーディー・ワインベルク平衡)が成立している例をもって、突然変異の再現性について述べるのは適当でないと結論される。自然状態において同様の突然変異がある頻度をもって繰り返し発生することと、条件を満たした集団内で遺伝子型の頻度が平衡状態を示すことの間に因果関係等の関係性を求めることは妥当ではない。 

従って、 

 

>突然変異は アルビノでわかりますが、1万匹に1匹なので 「突然変異の再現」はあります 

 

という文章は、遺伝学的に見て正確性を欠いており錯誤の含む文章であると結論される。



【アペンド】

間違い探しの答え合わせ (その1)・・・これで合っていますでしょうか? もし正しくない場合は添削と解説をお願いします♪

【問い】以下の文章において、現代の自然科学・生物学・遺伝学等に照らして明らかな間違いと思われる部分を示しなさい。


 突然変異は アルビノでわかりますが、1万匹に1匹なので 新種(アルビノ)同士が近くにいないので巡り会いません


 【yoshikazの回答】


 ×突然変異は アルビノでわかりますが、1万匹に1匹なので


 【回答の根拠】 

突然変異の発生頻度は(環境条件の影響も受けるが)自然状態では一般的に、1世代・1つの遺伝子座あたり、10万分の1程度であると推計される。 しかし仮にその突然変異した遺伝子の表現型が対立遺伝子に対し完全優性であった場合、その変異を持って生まれてきた子は2分の1の確率でその変異した形質を受け継ぐ(メンデルの優性の法則)。

その遺伝子が対立遺伝子に対し劣性であった場合、その表現型が突然変異のみによって出現するためには、両親に同時に突然変異が起り(10万分の1×10万分の1)、突然変異した遺伝子を持つ配偶子同士が接合(2分の1×2分の1、メンデルの分離の法則)しなければならないことから、400億分の1の確立でしか生まれないことになる。


補足

対立遺伝子頻度が1/120というのは、その個体群におけるアルビノと正常な遺伝子の割合が1:119だということですかねー?個体は必ず1対の対立遺伝子を持っていますから、60個体中に1個体の割合でアルビノ遺伝子をヘテロで持っている個体が存在すれば、個体群では14161(変異遺伝子なし):238(へテロ):1(変異アルビノ)の割合が維持されるというのがHW平衡ですねー。 でも突然変異の再現とは無関係ですねー。


* 質問日時:

o 2014/5/13 20:00:13


回答

(1件中1〜1件)

galgalwishさん

>400億分の1 の確率 計算値ならば・・・

 アルビノ遺伝子の対立遺伝子頻度を 1/120とすれば、

集団中の遺伝子は一つ、 HW平衡状態でのアルビノ個体の発生確率は1/14400になる

 実証値ならば・・・ 1万人から2万人に1人 / 「アルビノを生きる」人たち

 http://peretroika.blog.fc2.com/blog-entry-359.html 

アルビノという言葉をご存じだろうか。 

1万人から2万人に1人の割合で現れる遺伝性の疾患。 

/ 「400億分の1の確立でしか生まれないことになる」は 誤差が大きすぎます。 

元質問は調べてから質問&回答しているのです。

進化関連なので ゆるめに計算するよう「1万匹に1匹」を採用 

400億分の1の確率だと 新種同士が出会うことがなく 進化不可能が強調されるだけですが? 

もう少し説明すると、 

メンデルの法則が動物にも適用するとわかったのは

 「アルビノ」の研究です 

アルビノの対立遺伝子はよく調べられているのです 

それと突然変異の発生頻度は遺伝子型では環境要因に左右されず、 

10万分の1~20万分の1です 

(例外として 原発事故などの放射線誘発突然変異はある) 

対立遺伝子が1個の場合は、0の後ろに 0が600も続く確率になります 

(天文学的小ささ)


 ★「2分の1の確率」というメンデルの法則を勘違いしてるようですね 

ちなみに・・アルビノ猿の子供は ノーマル(画像)


 『進化』というキーワードがないので、気づくのが遅れました 

まだ質問の続きがあるようですね。 

【yoshikazの回答】が間違いのようです。 

文字数のムダなので、以降の回答ではイチイチ間違いと言いません。 


しかし疑問点を質問するのは良いことです ・・・では後ほど 


=== 補足に 

HW平衡は理解されましたね

>でも突然変異の再現とは無関係ですねー 

??「突然変異の再現」の質問ではなかったようですが? 

でも 


○突然変異は アルビノでわかりますが、1万匹に1匹なので 「突然変異の再現」はあります 


アルビノはメンデルの法則の 動物適用で研究と 上の方に書きました。 

現在、アルビノは確認されてないのですか?? 

(下に貼った アルビノ猿の画像も、ウソだと言うのですか?)

 だとしたら、質問者は メンデルの法則を 否定できる証拠を持っているんですね? 

もう補足はできないでしょうから、

BAのコメントに 「メンデルの法則を 否定できる証拠」を書いて下さいね 


【スーパーフルイティ】 

 

アドバイスとして受けたいくつかの指摘については、残念なことに全て的はずれである。

本稿ではアルビノが1万人から2万人に1人出現するという実証事例について一切否定していない。そのような実証の背景にあるのはHW平衡という現象である、というのが本稿の立場である。


HW平衝が成立するために「対象となる遺伝子座に新たな突然変異が生じない(突然変異が起こらない。/.(その遺伝子座については)遺伝子型や表現型の違いによる自然選択がない)。」という条件がある以上、突然変異の再現性とHW平衡(1万匹に1匹のアルビノ猿)を直接に関連付けるのは不合理だということを述べているのが本稿である。


突然変異はHW平衡状態になる以前に発生しており、集団内に浮動し、ある程度の頻度で集団内に定着した結果HW平衡状態になっている。


本稿で論じているのは遺伝学に関する齟齬についてである。進化そのものに関して論じているものではない。


本稿で述べているのは、任意の対立遺伝子における突然変異の発生頻度を10万分の1としたうえで、1世代の突然変異でアルビノの出現を説明しようとするとその確率は400億分の1となって実証とは整合しないということである。(本稿d-17~24)


本稿はA:1/14400(あるいは1万匹に1匹)とB:400億分の1を比較しているものではない。


>アルビノ遺伝子の対立遺伝子頻度を1/120とすれば、集団中の遺伝子は1つ

という理解にgalgalwishの錯誤がある(本稿d-16参照)。

アルビノ遺伝子の対立遺伝子頻度が1/120(≒0.0083)であることと、アルビノ遺伝子が1つだけの60匹の集団とは意味合いが異なる。集団中にアルビノ遺伝子がひとつしかない状態では、アルビノが生まれてくることが出来ないからである。


HW平衝が成立している例として5000匹の集団に100個のアルビノ遺伝子が存在している場合を考えれば良い。(遺伝子頻度0.01の場合。遺伝子頻度を0.083と置くならば、4800匹の集団中に80個のアルビノ遺伝子を想定する。)この100個(あるいは80個)のアルビノ遺伝子は、過去におきた突然変異によって生じたものであり、世代を重ねて集団内に浮動した結果100個(あるいは80個)になったところで平衡状態になっているのである。


本稿は意図的に反論が容易になるように構成している。結論に至るまでの考察の過程も示しているし、根拠となる数字の齟齬もないように開示している。誤りがあるならば具体的な指摘を願いたい。


突然変異が再現される(突然変異した遺伝子が集団中で消滅することは、増殖することと同程度に普通にあり得るし、一旦消滅した突然変異した遺伝子が同様の突然変異の再現によって再出現することもある)ことを否定するような記述は、本稿には存在していない。


知恵袋には「客観的な見解」を求めて質問をしたのだが、それが得られなかったことと、質問のフォーマットでは遣り取りができないと考え、取り消しを行ったものである。

少なくとも質問に対する回答の場で行うよりは自由度が高い議論が可能という期待もあって本稿を起稿したものである。

議論に勝ち負けを持ち込むつもりはないので、このようなスタンスをどのように解釈されても構わないところだが、早々にナイス!の評価を頂戴したことは有難く受け止めたい。


リンクに関しては一応(参照する価値のあるものは)眼は通している。

「メンデル遺伝学の情報的解釈」の頁などは興味深く読むことが出来たし、その内容は本稿で述べている内容と齟齬するものではない。


【2014.6.4一部改稿、誤字修正。】